迸る音の波 2015.9.23『MUSQIS EP Release Party [NEUROGRYPH 30]』at 下北沢ERA 感想

この日は10.7に発売されるMUSQIS初のスタジオ音源の先行レコ発ライブということで下北沢ERAに。

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MUSQIS✕WRENCH✕UHNELLYSという強力なスリーマン。更に、MUSQISがドラム・ギター・ベース+α(トランペットやキーボードなど本当に多種多様)で構成メンバー、その人や数すらも不定形のバンドとはいえ、総勢10人というおそらくMUSQIS自身としても異色な日ということで、始まる前から非常にワクワクしながらオープンの19時頃にERAに着いたら……スタート押してるので少しお待ちくださいのアナウンスw
思えば、確かに総勢10人のMUSQISに、WRENCHにUHNELLYSと非常に準備やらセッティングやらリハやらに時間がかかりそうな面子ではあるw とはいえ、言うほど時間もかからず入場できましたw

というわけで、この日のトップはUHNELLYS
失礼ながら不勉強で、チラッと聴いたことあるぐらいのバンドだったのだけど、これがめちゃくちゃ凄かった。
ライブを見る前はローファイな感じのロックとエモい感じのラップなイメージで……ギターボーカルとドラムの2人でライブやってるとのことなので、同期の音とかがバンバン入る感じなのかなと思ったら……2人がリアルタイムに出せる音をその場でその都度サンプリングしてループさせてるぽい……同期なんてほぼないように見える。まぁ俺の耳なんて信用できるもんじゃないけどもw
ギターもバリトンギターなので低い音が出るのでベースはそれをどうにかこうにかしてという感じだと思うし、トランペットやコーラスも逐次サンプリングしてループさせて重ねてという感じで……とはいえ、どうやってるのか詳しいことは全くわからないんだけど、もうこれだけで圧倒されてしまった。
勿論、曲自体もかっこよくて、ライブで聴くと更にかっこよく聴こえたし、ファンになってしまった。またライブ見たい。

2番目はWRENCH。
流石の爆音サイケハードコアといった様相。圧倒的音量と圧倒的グルーブで眩暈がするほど。音の圧力てのはまさにこれのことなんだなと実感させられる。
前に見たのは、中野MOONSTEPの周年イベントの時の90年代セットの時か。90年代セットは90年代セットで『時空自在』とか聴けて凄くいいんだけど、今のWRENCHはやっぱりこっちなんだなぁと。
素晴らしかった。

トリは勿論MUSQIS。
既に書いたけど、この日は総勢10名の大所帯。ドラム2人、ベース、ギター4人、キーボード、トランペット、クラリネットという編成。
MUSQISはいつもドラム、ベース、ギターという本当に基本的なパート以外はいろんな楽器、いろんな人が入り乱れるバンドではあるものの……去年から十数回と見てるけど、ここまでの大所帯を見るのは初めてw
ライブそのものは、ある意味いつものMUSQIS。混沌としていながらも纏まっていて、且つ、その日にしか見れない表情のMUSQIS。いつも通りだけど、いつも同じではないMUSQIS。
この日は更にVJにTSVという方が付いてて、とても雰囲気があった。MUSQISはジャンル的に分けたらプログレとかになるんだと思うけど、そういった音楽とVJは相性抜群だなぁと。そういう意味ではこの日のMUSQISは11人ということになるかw
見れなかったけど、JAMフェスでもVJとのコラボレーションライブしていたし……ビジュアル面、バンドロゴや音源のアートワークなんかもドラムの野口さんの手によるモノらしく……活動体としてのMUSQIS、と捉えても面白いバンドだなぁと思う。

そして、会場で先行発売されたMUSQISの音源。
曲目は
1. Idiot Cop
2. Feeling Chain
3. Home(4AM)
4. Feeling Chain (jitteryjackal RMX)
5. Home(4AM) (k-over RMX)
の5曲入り。1400円。
曲自体は、ライブを見てる人には既にお馴染みの曲ばかりだけど、改めてスタジオ音源として落ち着いて聴くと興味深い。
MUSQISは構成も人も変わるし、ライブ毎に表情を少しずつ変えるのだけど、毎回共通してる部分もある。これまで述べたような沢山の音が重なり合うMUSQISがMUSQISたる故の混沌さと、その混沌の中で脈打つ静と動のコントラストの美しさ、とかなのかなぁと聴きながらぼんやりと考えた。
この音源に入っていない曲も含め、音的に激しい曲も少なくないのだけど、根底の部分で綺麗な曲だなぁと感じるのはそのへんにあるのかなぁと。この音源に収録されている3曲には、そんなMUSQISの特性が詰め込まれている気がする。
そういう意味では、このレコ発先行ライブで大人数の(おそらく音源とほぼ同じ構成の)MUSQISが見れたのは僥倖だなぁと思う。
また、音源のアートワークも凄くいい。前述の通り野口さんの手によるモノだけど、加工・コラージュされた都市の写真だと思うんだけど、これが曲と共に非常にMUSQISらしいように感じる。凄くかっこいい。
10.7にタワーレコード新宿店やディスクユニオン下北沢店あたりで正式に発売されるようなので、気になる方は是非。

あと、この日は元eastern youthのベースの二宮さんが来てた。また、JAMフェスのトンカツ+MUSQISみたいなことがあるといいなぁ……などと思いつつ。

そういうわけで、タイトルにも付けましたが、MUSQIS、WRENCH、UHNELLYSが三者三様に溢れる程に迸る音の波を叩きつけてくれる最高のスリーマンで、今年見たライブイベントの中でも間違いなく上位ランクに入る面白いライブイベントでした。
こういうライブがあるから、ライブに行くのはやめられない。