大好きなバンドのワンマンライブが見れる幸せ 2015.5.10 『Green or White』at 渋谷CLUB QUATTRO 感想

ASPARAGUSの東名阪ワンマンツアー『Green or White』ファイナル@渋谷CLUB QUATTROに行ってきました。

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ASPARAGUSは、木村カエラさんの楽曲提供……『Ring a Ding Dong』他多数……や、ライブの際のバンドのギタリストとしても活躍する渡邉忍さんがギターボーカルを務めるバンド。以前はCAPTAIN HEDGEHOGのギターボーカル、また現在、Noshowのギタリストも並行してやられております。
そのNoshowでも同様にベースを務める原直央さんがASPARAGUSでもベース。元は別の方でしたが、06年に交代。直央さん自身は元はSHORT CIRCUITをやられていました。
ドラムは元popcatcherの一瀬正和さん。
結成は2002年だから、もう10年以上経つんだなぁ……。
自分が、初めて聴いたのはディズニーのパンクカバーのオムニバスアルバム『DIVE INTO DISNEY』の、くまのプーさんのカバーだった。キャプヘジが好きすぎるから、もしかしてあんまり好きになれないんじゃないかなぁとか思いながら聴いたら、めちゃくちゃかっこよくて土下座したくなったのを覚えてる。
あのカバーアルバムは海外バンドもいて面子が豪華だったし、バンアパの星に願いをのカバーがとんでもなく秀逸で、CCCDであること以外はかなりの名盤だったと思う。
その後に出たASPARAGUSの1stアルバム『Tiger Style』がまた素晴らしい出来だった。この時の『APPROACH ME』や『YOUR LOVELY DOLL』は今でも定番だし、『FALLIN' DOWN』はライブにおけるキラーチューンになっております。
あん時から10年以上経っても、まだASPARAGUS最高だ! と言ってるとは思わなかったけどもw

そんなASPARAGUSのワンマン。何気にワンマンを見るのは初。
去年、LOSTAGEの『SOUL CRAZE in YKHM 2014』のツーマン@F.A.D横浜や、SPREADの『魂疾走』のツーマン@下北沢ReGで比較的長いセットでのライブを見たことはあったけど、おそらくそれよりも更に長いセットで見られると思うと、この日が楽しみで楽しみで仕方なかった。去年、新代田FEVERのワンマン行けなかったからね……。その分、理不尽な期待の上がり方になってたと思うけど、それを軽く上回ってくれる最高のライブ体験を提供してくれた。

実は、自分は所謂「ワンマンライブ」というのをあまり見たことがない。去年は四十数本ライブを見に行ったけれども、ワンマンライブは僅かに2本。東京ドームのローリング・ストーンズと晴海のdustboxで、ローリング・ストーンズに関してはお父様のお誘い(お父様ありがとう)だったので、自発的に行ったのは1本。なもんで、ワンマンの空気感というのを忘れていた。
当たり前といえば当たり前なんだけど、ワンマンの会場にいる人たちって、もうその殆どの人が該当アーティストのことが好きな人なんだよな。この空気感はファンにとっても幸せなことだなぁと実感する。dustboxの晴海ワンマンも同じ空気感があったのを思い出した。
フェスの、バンドに関わらず音楽そのものを楽しもうという空気感とか、いろんなアーティストが集まってやるイベントのある種のバチバチした空気感とか。他にも色々あるとは思うし、それ自体はそれぞれいいのだけど、大好きなアーティストは特に、たまにはワンマンのこういう幸せな空気感で見たいと思わされたなぁ。

ライブは18時過ぎに、1曲目『SILLY THING』から始まってフロアは初めから全開。モッシュにダイブにサーフにと、バンドの好演にフロアも応えていく。
それにしても、音の重なりが凄くいいバンドなんだなぁと改めて。何度もスリーピースと見せかけて、実は後ろで誰か音足してるんじゃないかと思ったほど。元々、キャプヘジの時から忍さんのギターの音の鳴らし方が好きだったんだけど、ASPARAGUSはバンド全体の音の鳴りが凄くいいことがライブを見ていると余計によくわかる。
忍さんのギターは勿論、たとえばベースのコード弾きやライトハンドの音色、たとえば高く響くライドシンバルの音の美しさ、何気ない音ばかりだけど、それらが楽曲にここしかないという部分にアジャストされた音をライブで聴くのは本当に楽しくって仕方ない。まぁそういうことを感じるのは別にASPARAGUSのライブだけではないんだけど、ASPARAGUSのライブではいつもより多く感じる……と思う。

この日からライブ会場限定で音源も売り出した新曲『MAY BE OR MAY BE NOT』『THAT'S WHY』も披露。これで、ライブで披露されている曲でフルアルバムに収録されてない曲は『Shall we dance?』と『LOST SHEPHERD』と、合わせて4曲。あと何曲かあればアルバムできますな。どの曲も素晴らしいので、できたら今年中……いや、来年末ぐらいまでには新しいフルアルバム発売のお知らせが早く聞きたいところですw
また、『MAY BE OR MAY BE NOT / THAT'S WHY』について……今はライブ会場限定発売という触れ込みだけど、通販も「視野に入れている」ということです。ゆくゆくは通販もやりますと、ちゃんと断言しないのがASPARAGUS……ひいては3P3Bらしいw
通販はともかく、白と緑の盤面な2種類が発売されてる『MAY BE OR MAY BE NOT / THAT'S WHY』だけど、緑が先に売り切れて終演の頃には白も売り切れてた。次のライブまでにはまた作られてるとは思うので、緑が欲しい人は早めに買っておく方がいいかも。

そして、ASPARAGUSのワンマンのライブの何が素晴らしいって、忍さんのアコギがたくさん聴けることだと言っても過言ではない。ASPARAGUSを指して、アコギでモッシュが起こせると言ったのは元ビークル・現スタベムのヒダカさんだったか。ライブで聴けば聴くほど、その言葉は大袈裟ではないと感じる。
エレキと比べて、パッと聴いた時のハードさはどうしたって薄まるのだけど、しかし、ギターの音の温度、熱は寧ろ上がるように感じる。ライブにおいて途中でエレキに持ち替える『DIDDY BOP』の爆発力は、アコギによって引き起こされる感情的な昂りにもたらされているのではないかと思う。他の人は知らないが、自分はそうですw
あと、『YOUR LOVELY DOLL』で忍さんが奇っ怪なパフォーマンスをやるんだけど、その元ネタはTROPICAL GORILLAのCimさんらしい。どんなパフォーマンスかは実際にライブを見てみてください。毎回やるかはわからんけど、よくやってる気がしますw

この日はダブルアンコまでやって、最後はバンドの3人がお辞儀をして終了。
そんなこんなで気づいたら2時間があっという間に過ぎてた。2時間速いなぁ……凄く楽しかったんだなぁ……と、満足感と多幸感と、終わってしまったというちょっとの寂しさと。
よっぽどの何かが起こらない限りは来年……もしかしたら今年中にもう一回ぐらいそんなチャンスあるかもしれんし……またワンマン見れるといいなぁ。
もう書いたけど、やっぱり、ここにいる人みんなが出てくるバンドのことが大好きっていう、あの場の空気感がいいよな、ワンマン。
ファンにとっても幸せなんだよ、あの空気感。